模試の成績が上がらず、なかなか成果が見えないんですが、やってはいけない勉強法ってありますか?
細かいことを挙げればキリがないので、最も大切な2つを挙げます。
まず1つ目は「インプット学習ばかりやってしまうこと」です。
講義を聞きテキストを読んで理解し、その範囲の過去問を解く。これは当然ながら勉強の基本です。
でもこれだけで「よしよし、この単元は終わったぞ。あー勉強したー」って満足してたのが、初学者の頃の出不精ママでした。
テキストを読んだり講義を聞いたりする作業は脳にとって受け身で楽な作業で、逆に読んだテキストの内容を思い出したり書いたりするのは脳にとってめんどくさい作業。
だから、忙しい人や出不精ママのような怠け者は、読むだけ・聞くだけで勉強を終わらせてしまいます。
出不精ママの場合、最初の2年間の試験勉強では、理解とテキストを読むことと講義を聴くことが勉強の中心になっていたので(というかそれで精一杯だったのかも)、
→インプット学習だけで終わってしまった
→その結果、暗記の仕方が中途半端でうろ覚えになってしまった
ことが敗因だったと確信しています。
筆記や小論文がなくマークシートのみなので油断してしまいがちですが、うろ覚えで受かるほど社労士試験は甘くありません。
結果は案の定、最初の年は択一式・選択式ともに基準点に足らず、2年目も選択式2科目が基準点に足らず不合格でした。
その失敗を生かし、3回目からはアウトプット学習を意識しました。
アウトプット学習って、具体的には何? 過去問で例示
じゃあアウトプット学習って、具体的には何をすればいいんですか?
では、厚生年金法の「60代後半の在職老齢年金」で例をあげてみましょう。
60代後半の在職老齢年金は確実に押さえておきたい範囲であり、下記の3つは頻出用語です。
総報酬月額相当額・・・月々の給料(その月の標準報酬月額)+その月以前の1年間の標準賞与額の合計額×1/12
支給停止調整額・・・支給停止の対象となる額(47万円)
支給停止基準額・・・総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額
ふ~ん要は、総報酬月額相当額は月々の給与とボーナスの12分の1の合計、支給停止調整額は支給停止が始まる額、支給停止基準額は実際停止される額の年額、よしっっ、わかったぞ!
と、ここまでがインプット学習です。
では、この3つの用語をさっと隠してください。
隠した後、紙に書いてみる、またはつぶやいてください。
・・・
書けましたか?
覚えられるようで覚えられない用語です。
えーでも、社労士試験は筆記はないんだから、書けなくていいんじゃないですか?
まあそうなんですが、では再びこの3つの用語を隠してみて、下記の中から正しい用語を選んでください。
支給停止額 支給調整基準額 支給停止調整額 総報酬月額 支給調整開始額 支給停止開始額 支給停止基準額 総報酬月額相当額 平均標準報酬月額 標準賞与月額相当額 報酬比例部分 定額部分
書くよりは簡単だと思いますが、正しい用語3つをピックアップできましたか?
この問題は、「2016年度第48回社労士試験 厚生年金保険法の選択式」で出題されました。
アンダーラインのところが空欄でした。
厚生年金保険法第46条第項の規定によると、60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。)である日(厚生労働省令で定める日を除く。)が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合 算して得た額(以 下「 A.総報酬月額相当額 」という。)及び老齢厚生年金の額(厚生年金保険法第44条第項に規定する加給年金額及び同法第44条の第項に規定する加算額を除く。以下同じ。)を12で除して得た額(以下「基本月額」という。)との合計額が B.支給停止調整額 を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、 A.総報酬月額相当額と基本月額との合計額から B.支給停止調整額 を控除して得た額の分のに相当する額に12を乗じて得た額(以下「 C.支給停止基準額 」という。)に相当する部分の支給を停止する。ただし、 C.支給停止基準額 が老齢厚生年金の額以上であるときは老齢厚生年金の全部(同法第44条の第項に規定する加算額を除く。)の支給を停止するものとされている。
出不精ママが初めて受験した年に出題された問題でしたが、
あれ?総報酬「月額」だったけ?いや「月額相当額」・・・?
支給停止開始額?支給調整開始額?停止?調整?どっちだっけ?
という具合に、ほぼインプット学習だけ終ってしまった初年度は、この3問中2問も落としてしまいました。
覚えていたつもりが単に理解していただけ、要するにうろ覚えだったんですね。
アウトプット学習がいかに大切か、身をもって感じた問題でした。
専門家によれば、「インプット学習が3に対してアウトプット学習は7が最も効率的な比率」というくらいアウトプット学習って大切なんです。
そもそも試験は究極のアウトプットの場ですからね!
アウトプット学習の具体例は、
1.テキストを見ないで総報酬月額相当額という用語を思い出しながら、つぶやいてみる
2.テキスト見ないで総報酬月額相当額という用語を思い出しながら、紙に書いてみる
3.総報酬月額相当額という用語が空欄になっている選択式問題集を、実際解いてみる
などの方法でに定着させ、選択肢の中から選べるくらいには覚えましょう。
覚えやすい方法は人それぞれ違うと思いますが、用語なら出不精ママは「2.の書いてみる」が好きでした。
だだし社労士試験は筆記がないので、書くことが目的になってしまわないよう時間をかけすぎないでくださいね。
まとめ
・やってはいけない勉強方法は、インプット学習ばかりやってしまうこと!
・インプット学習3:アウトプット学習7くらいを目安に!
・声に出す、書く、問題を解くなど、五感を駆使して自分なりに工夫してアウトプットしよう!