「指定」健康保険組合?「特定」健康保険組合? ○○健康保険組合が多くて、混同しちゃいます。
出不精ママの場合、○○健康保険組合をノートの1ページに列挙し、押さえ分けして覚えました。下記も参考にしてください。
各健康保険組合と重要なキーワード
最初に、○○健康保険組合を列挙すると下記の4つになります。
- 指定健康保険組合
- 地域型健康保険組合
- 特定健康保険組合
- 承認健康保険組合
次に各健康保険組合について、どんな健康保険組合なのかを説明します。重要キーワードにはピンクのマーカーを引いたので、必ず覚えてね!
過去問も載せました。出題頻度はけっこう高いです。
指定健康保険組合の説明と過去問
指定健康保険組合とは、財政がひっ迫している(財源率1,000分の95を超える)健康保険組合であって、厚生労働大臣の指定を受けたもの。
財政の健全化計画を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない(「認可」ではなく「承認」なので注意!)。指定する日の属する年度の翌年度を初年度とする3箇年の計画。健全化計画に従って事業を行わなかった場合などは解散を命じることができる。
過去問をやってみましょう。選択式で出題されています。やっぱり重要キーワードなんですね。
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたものは、政令の定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下「健全化計画」という。)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならないが、その健全化計画は、厚生労働大臣の指定の日の属する年度の翌年度を初年度とするC. の計画とする。
選択肢は、「⑨2年間 ⑩3年間 ⑪4年間 ⑫5年間」でした。もちろん正解は、「⑩3年間」です。
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣より指定を受けた健康保険組合は、財政の健全化に関する計画を作成し、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、当該計画に従い、その事業を行わなければならない。この計画に従わない場合は、厚生労働大臣は当該健康保険組合と地域型健康保険組合との合併を命ずることができる。
この問題は✖。「この計画に従わない場合は、厚生労働大臣は当該健康保険組合と地域型健康保険組合との合併を命ずることができる。」の部分が誤り。「当該健康保険組合の解散を命ずることができる。」が正解です。
地域型健康保険組合の説明と過去問
地域型健康保険組合とは、指定健康保険組合などの財政がひっ迫している組合が、都道府県単位で合併した組合。合併が行われた日の属する年度およびこれに引き続く5箇年度に限り、1,000分の30から1,000分の130までの範囲内において不均一の一般保険料を決定することができる。(地域型健康保険組合の「5箇年」と指定健康保険組合の「3箇年」を取り違えないように注意!)
一般保険料率の決定は、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。また、認可を受けようとするときは、当該地域型健康保険組合の組合会議員定数の3分の2以上の議決が必要。
地域型健康保険組合のイメージとしては、下の図のようになります。(図がヘタですみません。)
では、過去問です。
合併により設立された健康保険組合又は合併後存続する健康保険組合のうち一定の要件に該当する合併に係るものは、当該合併が行われた日の属する年度及びこれに続く5か年度に限り、1,000分の30から1,000分の130までの範囲内において、不均一の一般保険料率を決定することができる。
この問題は〇。地域型健康保険組合の説明そのままなので、正解ですね。
もう1つやってみましょう。
地域型健康保険組合は、不均一の一般保険料率に係る厚生労働大臣の認可を受けようとするときは、合併前の健康保険組合を単位として不均一の一般保険料率を設定することとし、当該一般保険料率並びにこれを適用すべき被保険者の要件及び期間について、当該地域型健康保険組合の組合会において組合会議員の定数の 3 分の 2 以上の多数により議決しなければならない。
この問題も〇。「組合会議員の定数の 3 分の 2 以上の多数により議決」で合っているので、正解です。
特定健康保険組合の説明と過去問
特定健康保険組合とは、特例退職被保険者の保険者となる健康保険組合。
健康保険組合のうち一定の要件を満たすものは、厚生労働大臣の認可を受けて健康保険組合の被保険者であった退職者に対し、退職後も引き続き現役被保険者と同様の保険給付及び保健事業を行うことができる特定健康保険組合となることができる。(組合会議員定数の3分の2以上の議決が必要。)
要するに、財政が安定している優良な健康保険組合が、一定の要件を満たす退職者を「後期高齢者制度の被保険者となるまでの間、特例退職被保険者という名の組合員として面倒みてあげるよ」っていうことです。
特定健康保険組合とは、特例退職被保険者及びその被扶養者に係る健康保険事業の実施が将来にわたり当該健康保険組合の事業の運営に支障を及ぼさないこと等の一定の要件を満たしており、その旨を厚生労働大臣に届け出た健康保険組合をいい、特定健康保険組合となるためには、厚生労働大臣の認可を受ける必要はない。
この問題は✖。前半部分は合っていますが、後半の「その旨を厚生労働大臣に届け出た健康保険組合をいい、特定健康保険組合となるためには、厚生労働大臣の認可を受ける必要はない。」が誤り。届出ではなく「認可を受ける必要がある。」が正解です。
承認健康保険組合の説明と過去問
承認健康保険組合とは、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の承認を受けた健康保険組合。
では、政令で定める要件とは?
介護保険第2号被保険者である被保険者(特定被保険者を含む)に関する保険料額を、一般保険料額と特別介護保険料額の合算額とすることを、当該健康保険組合の組合会議員の定数の3分の2以上の多数により議決していること。
また「特定」被保険者?「特別」介護保険料額? ますます覚えられません。
出不精ママの経験から言えば、「特別」「特定」「特例」などを入れ替えて正誤判断させるような意地悪な問題は、おそらく出ないと思います。それよりも、○○健康保険組合とはどういうもので、その関連するキーワードをしっかり覚えることの方が重要です。
承認健康保険組合は、本来定率徴収の介護保険料を、定額(=所得段階別の額)の特別介護保険料額で徴収することができる。
被保険者から徴収した各年度の特別介護保険料額の総額と、当該承認健康保険組合が納付すべき介護納付金の額とが等しくなるように規約で定めるものとする。
介護保険第2号被保険者である被保険者以外の被保険者であって、介護保険第2号被保険者である被扶養者があるもの。
令和元年 第51回 健康保険法 択一式 問4 オ
政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の承認を受けた健康保険組合は、介護保険第 2 号被保険者である被保険者に関する保険料額を、一般保険料額と特別介護保険料額との合算額とすることができる。
この問題は〇。説明そのままなので、正解です。
健康保険組合は、被保険者が介護保険第2号被保険者でない場合であっても、当該被保険者に介護保険第2号被保険者である被扶養者がある場合には、政令に定める基準に従い、被保険者から介護保険料額の負担を求めることができる。
この問題は✖。「 政令に定める基準に従い」が誤り。「規約で定めるところにより」が正解です。
全国健康保険協会は、被保険者が介護保険第2号被保険者でない場合であっても、当該被保険者に介護保険第2号被保険者である被扶養者がある場合には、規約により、当該被保険者(特定被保険者)に介護保険料額の負担を求めることができる。
この問題も✖。「 全国健康保険協会は」が誤り。この規定は健康保険組合にのみ適用されるので、全国健康保険協会には適用されません。
まとめ
- 指定健康保険組合 財政がひっ迫っしていて財政健全化計画が必要として指定を受けた健康保険組合
- 地域型健康保険組合 財政がひっ迫している組合が都道府県単位で合併した健康保険組合
- 特定健康保険組合 特例退職被保険者の保険者となる健康保険組合
- 承認健康保険組合 定額(=所得段階別の額)の特別介護保険料額で徴収できる健康保険組合