2021年8月22日(日)に令和3年度 第53回社労士試験が予定通り実施されました。
僭越ではありますが、試験経験5回の出不精ママが試験の肌感・解答分析・難易度・問題の解き方などを書きたいと思います。今回は、雇用保険法の選択式です。
下記の通り、 雇用保険法の選択式全体と各5問について7つの難易度に分けました。
激易 | 易 | やや易 | 普通 | やや難 | 難 | 激難 |
結論から先に言うと、雇用保険法の選択式の難易度は易。3点は確保できると感じました。
雇用保険法の選択式 A・B 内容は算定対象期間
被保険者期間の算定対象期間は、原則として、離職の日以前2年間(受給資格に係る離職理由が特定理由離職者又は特定受給資格者に該当する場合は2年間又はA )(以下「原則算定対象期間」という。)であるが、当該期間に疾病、負傷その他一定の理由により引き続きB 日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を原則算定対象期間に加算した期間について被保険者期間を計算する。
Aの選択肢 ①1年間 ②1年と30日間 ③3年間 ④4年間
Bの選択肢 ①14 ②20 ③28 ④30
正解は、Aは①1年間 、Bは④30でした。
①基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前2年間(「算定対象期間」)に、被保険者期間が通算して12箇月以上であつたときに支給する。(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を2年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間)とされる。)
②特定理由離職者及び特定受給資格者のいずれかに該当する者については、 離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6箇月以上あれば支給する。
上記は条文をわかりやすくしたものですが、どのスクールのテキストにも載っています。出題された問題は、この条文中の重要な数字キーワードです。 今年の試験には出なかったけど、「通算して12か月以上」「 通算して6か月以上」「4年間」という数字も重要なので、覚えておいてね!
この2問は基本問題なので、激易とします!
雇用保険法の選択式 C・D・E 内容は求職活動実績
被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合における給付制限(給付制限期間が1か月となる場合を除く。)満了後の初回支給認定日(基本手当の支給に係る最初の失業の認定日をいう。)以外の認定日について、例えば、次のいずれかに該当する場合には、認定対象期間中に求職活動を行った実績がC 回以上あれば、当該認定対象期間に属する、他に不認定となる事由がある日以外の各日について失業の認定が行われる。
イ 雇用保険法第 22 条第 2 項に規定する厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者である場合
ロ 認定対象期間の日数が 14 日未満となる場合
ハ D を行った場合
ニ E における失業の認定及び市町村長の取次ぎによる失業の認定を行う場合
Cの選択肢 ①1 ②2 ③3 ④4
Dの選択肢 ①求人情報の閲覧 ②求人への応募書類の郵送 ③職業紹介機関への登録 ④知人への紹介依頼
Eの選択肢 ①巡回職業相談所 ②都道府県労働局 ③年金事務所 ④労働基準監督署
Cの正解は ①1 でした。
「こんな求職活動をすれば、失業を認定してあげるよ」っていう基準を定めた行政手引きからの出題。
失業の認定日において、認定対象期間に求職活動実績が原則2回以上あることを確認できた場合に失業の認定をしてもらえます。
ただし、「原則の求職活動実績は2回だけど、就職が困難な人や期間が短い人は1回以上でもいいよ」という例外があります。問題文中の 「就職が困難な者である場合」「14日未満となる場合」がヒントとなるキーワード。
Cの問題は、問題文が長くてちょっとわかりにくいけど、ヒントとなるキーワードがあるしテキストにも載っている内容なので、普通とします!
Dの正解は②求人への応募書類の郵送でした。
求職活動実績として認められる範囲はどの程度なのか?という問題。
求職活動実績として認められる求職活動とは、「就職しようとする積極的な意思を具体的かつ客観的に確認し得る活動であること」と定義されています。4つの選択肢のどれがもっとも求職活動として真剣さが感じられるか?と考えれば、②求人への応募書類の郵送がもっとも適切です。
Dの問題は、選択肢が選びやすいしテキストにも載っている内容なので、やや易とします!
Eの正解は①巡回職業相談所でした。
「巡回職業相談所」自体はここでしか出てこないような聞きなれない用語。スクールによってはテキストに載っていないかも?
ただし4つの選択肢を見ると、少なくとも「③年金事務所」「 ④労働基準監督署 」の2つは、すぐ消去できますね。この2つのお役所で失業の認定を行うなんて、聞いたことないから!
残りの「 ①巡回職業相談所」と「 ②都道府県労働局 」でちょっと迷うかなぁ?
でも、「市町村長の取次ぎによる失業の認定を行う場合」という箇所がキーワードになりそう。 「 ②都道府県労働局 」は都道府県単位だし、同じ県でもわざわざそんな遠くに失業の認定に行くでしょうか?せめて市町村レベルですよね。
すると消去法で、「巡回職業相談所」を選べた人が多いのではないでしょうか。
Eの問題は選択肢が迷わないので、普通に近いけどやや易とします!
まとめ
A | B | C | D | E | 全体 |
激易 | 激易 | 普通 | やや易 | やや易 | 易 |
・全体としては、易。
・作戦としては、AとBで確実に2点取り、C・D・Eのうち1点か2点は取りたい。
以上の内容は出不精ママの個人的な感想であり、解き方や合格を確約するものではありませんので、ご了解ください。