前回の記事で出不精ママさんは、「全体像をつかむことには利点がいっぱいある。初めてテキストを読む時は、あまり細部にこだわらず全体を把握するように」って言ってましたね。
「全体像には図・表・イラストが多く、視覚的に覚えやすい 」とも言ってましたが、社労士試験にはどんな全体像があるんですか?
イメージが湧かないんですけど。目次を見ろってことですか?
もちろん、目次は全体をとらえるガイドですから、勉強の最初には目を通しましょう。
目次以外に、「各科目の区切りの良い単元ごとに」ってことです。
たとえば、雇用保険法の「失業等給付等の体系図」は有名ですね!
この記事では、雇用保険法・国民年金法・厚生年金保険法を例にとって、全体図やまとめ図をご紹介しましょう。
雇用保険法 失業等給付等の体系図
この体系図を見れば、雇用保険法の保険給付の全体像とその種類・名称がよくわかります。
また下記の通り、この体系図に関する問題が何度か出題されているので、必ず覚えなくてはなりません。
就職促進給付には、就業促進手当、移転費、求職活動支援費の3つがある。
この問題は〇。
一般被保険者の求職者給付は、基本手当、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当の4つである。
この問題も〇。
失業等給付は、求職者給付、教育訓練給付及び雇用継続給付の3つである。
この問題は✖。 失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付の4つです。
雇用保険法 基本手当の期間の流れ図
求職者給付の1つである基本手当を勉強してると、算定対象期間・被保険者期間・算定基礎期間・受給期間と、○○期間が4つも出てきて紛らわしい。
でも、下図のように書いてみると、基本手当の期間の流れがわかるでしょう?(図がヘタですみません。)
初学者でも、基本手当を学習する時にこの図を眺めておけば、4つの○○期間を理解しやすい!
国民年金法 強制被保険者のまとめ表
国民年金法の強制被保険者である第1号~第3号被保険者。
テキストを勉強し、下記の過去問を解いてみた。
被保険者の資格として、第1号被保険者は国籍要件、国内居住要件及び年齢要件のすべてを満たす必要があるのに対し、第2号被保険者及び第3号被保険者は国内居住要件及び年齢要件を満たす必要があるが、国籍要件を満たす必要はない。
あれ?国籍要件は第1号だけにはあったっけ?年齢要件は、第1号、第2号、第3号全部あったっけ?
テキストの文章だけで理解していると、このように混同してしまいがち。
そこで、第1号~第3号被保険者のまとめ表を作ってみました。3つの強制被保険者を比較しながら勉強できるし、何よりわかりやすいでしょ?
種別 | 国内居住要件 | 国籍要件 | 年齢 | 生計維持 | 備考 |
第1号被保険者 | 〇 | ✖ | 20歳以上60歳未満 | ✖ | 厚年法の老齢給付等を受けることができる者、特別の理由がある者を除く |
第2号被保険者 | ✖ | ✖ | ✖ | 65歳以上の者は老齢給付の受給権を有しない者に限る | |
第3号被保険者 |
原則〇だが例外あり |
✖ | 20歳以上60歳未満 | 第2号被保険者による生計維持 | 日本国内に住所を有しなくても日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者は、第3号に該当する |
表を見れば、この過去問は瞬殺!正解は✖!
国籍要件はどの被保険者も✖つまり必要ないから、1行目の「第1号被保険者は国籍要件、国内居住要件及び年齢要件のすべてを満たす必要がある」の「国籍要件」は間違いだとすぐわかります。また、第2号被保険者については、「国内居住要件」は必要とされず、原則として「年齢要件」も必要とされません。
この表を覚えておくだけで、強制被保険者の問題は8割がた解けるのでは?
厚生年金保険法の「特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢表」
下記が代表的な「特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢表」です。
最初にこの表を見ておけば、特別支給の老齢厚生年金が理解しやすい。20年かけて段階的に60歳から65歳に年金支給を遅らせるってことが、視覚的にわかります。
「文章だけ」でなく「文章+全体図」で学習しよう
4つの全体図をご紹介しましたが、「文章だけ」よりも「文章+全体図(図や表など)」で視覚的に学習すると、理解しやすく、また何倍にも記憶に残りやすくなるそうです。
精神科医で作家の樺沢紫苑先生は、その著書の中で下記のようにおっしゃっています。
視覚情報と記憶の関係
・脳の9割は視覚情報
・視覚情報の処理速度は、文字情報の6万倍
・記憶の8割は視覚情報
・視覚情報の活用で、学習効率は4倍になる
学びを結果に変えるアウトプット大全 樺沢 紫苑より引用
わたしはセンスなくて、図とか表にまとめるの苦手なんですが・・・。
大丈夫です!自分で作らなくても、各スクールのテキストや資料に載っていますよ。そりゃプロですから!
この記事で紹介したように、公的な資料やネットで検索してみるのもいいかもしれません。
もちろん社労士試験の内容すべてが全体図や表で表現できるわけでもないし、また図や表を使うとかえって覚えにくいものもあると思います。
あくまで自分がわかりやすい、覚えやすいと感じるものを活用していきましょう。
出不精ママが受験生時代もっとも活用していたのは、『資格の大原』金沢先生の「時間の達人ブログ」です。
このブログの中で、金沢先生の資料は「神まとめ」といわれるほどわかりやすくまとまっているのでイチオシです!
イチオシ!『資格の大原』金沢先生の「時間の達人シリーズ・社労士24ブログ」
資格の大原 金沢先生が配信するブログでは、時々「神まとめ」の図表がアップされますので、ぜひチェックしておくことをおすすめします。(ブログを見るだけなら無料だし!)
『資格の大原』金沢先生の「時間の達人シリーズ・社労士24ブログ」
「時間の達人シリーズ・社労士24」 って?
「社労士24」は、資格の大原の大好評な社労士講座の1つで、インプット講義が全科目24時間で完結するというWeb通信講義です。
社労士24なら、「神まとめ」の資料を使って短時間で効率的な学習が可能に!
ワーキングマザー忙しい子ちゃんような忙しい人は、絶対おすすめの通信講座です!
まとめ
・「文章だけ」よりも全体図(図や表など)を併用し「文章+全体図」で視覚的に学習すると、理解しやすく、また何倍にも記憶に残りやすくなる!
・表や図は自分で作る必要はなく、既存の資料であくまで自分がわかりやすい、覚えやすいと感じるものを活用していこう!
・出不精ママの経験では、『資格の大原』金沢先生の「神まとめ」資料がおすすめ!